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仮想通貨のDEXとは?|分散型取引所の仕組み・始め方・リスクと守り方

DEX(分散型取引所)は急速に普及してきた新しい仮想通貨取引所の形態です。人の手で管理される取引所ではなく、仮想通貨(暗号資産)の仕組みを使ったプログラムで動きます。

プログラムで動くため、24時間休みなく動き、人件費がかからない分だけ手数料が抑えられる傾向があるなど、さまざまなメリットがあります。しかし、仕組みを知らなければ怪しく見えてしまうのも当然です。

使い方を間違えるとお金を失ってしまうリスクもあるため、代表的なDEXと始め方、リスクの守り方をまとめました。

目次 開く

DEX(分散型取引所)とは?「自分でお金を管理する」新しい場所

DEX(分散型取引所)とは?「自分でお金を管理する」新しい場所

DEX(分散型取引所)は従来のCEX(中央集権型取引所)とは仕組みが異なります。

仮想通貨のイーサリアム(ETH)に代表されるスマートコントラクトを利用し、ネットワーク上に作られたのがDEXです。

口座の開設や管理に人の手が必要な従来型の取引所と違い、プログラムで動くため人の手を必要としないことが大きな違いです。

ウォレットをつなげば世界中どこからでも、24時間使えるのも魅力となっています。管理者がいない「自分でお金を管理する」場所としても注目されています。

管理人がいない?次世代の取引所の仕組み

従来の仮想通貨取引所は、口座開設や各種手続きを人の手で行っています。もちろん、自動化されている部分もありますが、それでも人が管理していることに変わりはありません。

DEXの場合はあらかじめ決められたプログラムがすべてを処理します。24時間休まずに、正確にコインの交換を行ってくれるのです。

自動販売機や、自動で動く両替機のような存在で、その利便性に多くの人が注目しています。仕組みさえ作れば人件費も節約できるため、手数料も安くなる傾向があります。

なぜDEXを使う人が増えているのか?

従来型の仮想通貨取引所は、経営破綻やハッキングによる仮想通貨の流出など、たびたび問題を起こしていました。

もちろん、事故などを起こしていない取引所もある一方で、いつトラブルが起きるか不安視する人も多くいます。DEXは人の手で管理される不安をなくしつつ、利便性を高めるために生まれたのがポイントです。

ウォレットを用意し、しっかりと秘密鍵を管理すればだれでも使えます。多くのDEXはイーサリアムのネットワークで支えられていて、取引のたびにガス代(取引の手数料)をETHで支払うのも特徴です。

一時高騰していたイーサリアムのガス代も、L2の開発と実装が始まったことで大幅に安くなりました。他の仮想通貨やトークンをベースにしたDEXも誕生し、手数料や使い勝手など、さまざまな視点で選べることも利用者が増える一因となっています。

DEXと普通の取引所の違い|初心者向けに比較

DEXと普通の取引所の違い|初心者向けに比較

DEXの特徴を知りたい場合、普通の取引所と比較すると分かりやすくなります。それぞれにメリットとデメリットがあり、メリットが大きいと感じた人がDEXを利用しているからです。

どこを重視するかは人それぞれである一方で、リスクを分散するために両方を併用するという人もいます。

どっちが便利?メリット・デメリット比較

主要な項目を、国内取引所(CEX)とDEXで比べると次のとおりです。

項目 CEX DEX
始め方 口座開設・本人確認が必要 ウォレットをつなぐだけ
手数料 スプレッド(実質手数料が高め) ガス代と取引手数料(ネットワークの混雑で変動)
取り扱い銘柄 厳選された数十種 数千種類以上(上場審査なし)
安全性 会社の倒産リスクあり 秘密鍵を自分で管理(流出・紛失で資産を失う)
人のサポート あり なし

人のサポートがあるため、国内取引所は始めるハードルが低いのが魅力です。

しかし、手数料が高くなりがちで、仮想通貨の取り扱い銘柄が少ないと感じる人もいます。

DEXは自分で操作などを調べ、覚えていく必要があります。自己責任になる代わりに、取引所の倒産の影響を受けないのが特徴です。ただし、秘密鍵の流出や詐欺サイト、スマートコントラクトの不具合で資産を失うおそれはあります。

手数料を抑えやすいことから、流動性提供などの運用のためにDEXを利用する人もいます。

本人確認(KYC)なしですぐに始められる手軽さ

DEXの大きな特徴に本人確認(KYC)なしで利用できる手軽さが挙げられます。DEXは新しい仮想通貨取引の形で、多くは金融庁の登録を受けておらず、国内取引所と同じ利用者保護はありません。

ウォレットをつなげば、すぐに取引を始められます。

従来型の取引所は口座開設の手続きから本人確認で数営業日待たされることもあるため、手間を省きながらスピーディーに始められるのも強みです。

DEXで仮想通貨を運用して報酬を得る方法

DEXで仮想通貨を運用して報酬を得る方法

DEXの魅力に運用方法の幅を挙げる人もいます。DEXは利用者同士が協力して便利にしていく機能が多く、協力の度合いに応じて報酬を受け取れる仕組みがあります。

長期投資で仮想通貨を購入し、保有しているあいだに報酬を受け取ろうとする人も珍しくなくなっています。

また、銀行利息や他の仮想通貨運用と比較し、DEXでの運用を選ぶ人もいます。

預けるだけで報酬がもらえる「流動性提供」とは?

流動性提供(LP)は、トークンをプールへ預け、取引手数料の一部を報酬として受け取る仕組みです。

DEXでは常に異なる仮想通貨の売買が行われていますが、スピーディーな取引を実現するためにはある程度資金をためておく必要があります。

流動性提供はDEX利用者たちが「一時的な建て替え」のために資金をプールに預け、プールを利用したやり取りが行われたときに報酬が支払われる仕組みです。

預ける金額が多いほど受け取る報酬も増えますが、損失が出たときの額も大きくなります。

ただし、プールに預けた仮想通貨の価格の上下で損失が出る場合もあります。仕組みの理解が必要で、リスクも考える必要があるのです。

ガス代の低下で少額から試す人も増えている

イーサリアムが人気となった結果上昇していたガス代は、L2の開発と各種アップデートによりかなり抑えられるようになりました。

ガス代が抑えられることで流動性提供やステーキングに参加するハードルは下がり、お試しに少額から始める人が増えています。

ある程度の金額を投入しなければガス代の元を取るのが難しかったからです。100ドル程度の少額から試す人もいますが、報酬は保証されず、価格の変動で元本を下回ることもあります。

運用実績を見たうえで、積み増しをするか考える人は珍しくないのです。

代表的なDEX(分散型取引所)と関連サービス

代表的なDEX(分散型取引所)と関連サービス

歴史やサービス内容に個性があるのがDEXです。DEXの歴史はイーサリアムから始まり、今でも主要なネットワークはイーサリアムで構築されています。

イーサリアムはガス代支払い手段にもなっているため、大きな存在感を発揮しているのです。一方でガス代の高騰を避けるために、イーサリアム以外を採用するDEXも増えました。

ここでは基盤となるネットワークの違う代表的なDEXと関連サービスを紹介します。いずれも海外のサービスで、金融庁の登録は受けていません。

Uniswap(ユニスワップ)|最大手のイーサリアム系DEX

2018年にローンチされた、最大手のイーサリアム系DEXです。取引高はDEXトップクラスで歴史も古く、実際に利用した人の口コミやノウハウに触れやすいのも長所です。

独自トークンのUNIを発行していて、主に運営方針を決める投票(ガバナンス)に使われます。UNIは一部の取引所でも取り扱われています。

また、取り扱う仮想通貨の多さでも有名です。上場審査がないため、ERC20トークンであれば誰でも取引ペアを作れます。

一方で、実体がない仮想通貨、詐欺トークンも横行しているため、知らない銘柄を安易に売買しないことが大切です。

PancakeSwap(パンケーキスワップ)|BNBチェーンの人気DEX

BNB Chain(BNBチェーン)を基盤としたDEXで、特に海外の利用者に人気です。ガス代の安さが魅力で、以前はガス代に使うBNBが国内取引所で買えないことが障害となっていました。

しかし、一部国内取引所に上場を果たしたことで、利用のハードルが下がっています。以前はNFT(非代替性トークン)のマーケットプレイスも備えていましたが、2026年10月時点の公式ドキュメントでは提供を終えた旧サービスに分類されています。

ただし、BNBを扱う国内取引所がまだ少ないことには注意が必要です。パンケーキスワップを使いたい場合は、取引所選びから始める必要があります。

Curve Finance|ステーブルコイン特化の低スリッページDEX

イーサリアムベースのDEXで、ステーブルコインに特化しているのが特徴です。ステーブルコインは法定通貨や金など、現実の資産と価値が結びついた仮想通貨です。

一般的な仮想通貨のように極端に価格が上下することは珍しく、外貨預金の感覚で購入する人が多くなっています。

また、仮想通貨の両替の際、注文価格と約定価格の差(スリッページ)が非常に低く抑えられることも強みです。

安定性の高いステーブルコインが揃っていることから、流動性提供で利益を出そうとする人が多く、流動性提供のプール総額はDEXのトップになっています。

SushiSwap / dYdX|マルチチェーンやデリバティブに強いDEX

SushiSwapはマルチチェーンのDEXです。マルチチェーンの特徴は、ガス代支払いの選択肢が豊富なことです。

ネットワークを構成する仮想通貨の種類が多いため、自分が入手しやすい仮想通貨やガス代が安いネットワークを使って支払いができます。

また、ステーキングサービスを提供しているのも大きな特徴です。ステーキングは仮想通貨をネットワークの貢献のためにプールし、貢献に応じた報酬を得られる仕組みです。

流動性提供と同じく、保有する仮想通貨で報酬を得る仕組みとして注目されています。

dYdXは独自のブロックチェーン(dYdX Chain)で動くDEXで、仮想通貨のスワップを行わないのが特徴です。デリバティブ(金融派生商品)に特化し、仮想通貨のパーペチュアル取引(決済期限がない先物取引)ができます。

預けた資産が証拠金となり、レバレッジをかけた取引では損失が膨らむおそれがあるため、取り扱いには注意が必要です。知識がなければ大きな損失を出す可能性があるものの、仮想通貨取引の選択肢を広げるDEXとして注目を浴びています。

Best Wallet / Changelly|初心者向け利便性の高いツール

Best Walletはマルチチェーンで、名前のとおりウォレットとして使えるのが特徴です。スマホアプリがあることも強みで、仮想通貨のスワップも手軽に行えます。

国内取引所で取り扱いが少ない仮想通貨を、Best Wallet経由で手に入れるという使い方もできます。また、ガス代の内訳を見える化する機能があるため、便利ツールとして利用する人も珍しくありません。

Changellyは仮想通貨の即時交換サービスです。スマホアプリで動かし、手数料を抑えながら仮想通貨のスワップが可能です。

仮想通貨の購入も可能で、クレジットカード・デビットカード、Apple Pay、Google Pay、銀行振り込みなど選択肢が豊富なのも魅力になっています。

スワップは原則として本人確認なしで使えますが、取引の内容によっては本人確認を求められる場合があります。

DEXの始め方・使い方

DEXの始め方・使い方

魅力の多いDEXですが、すぐに始めることはできません。仮想通貨購入のために一度取引所に口座開設が必要で、順番を守らないとDEXでの取引ができないからです。

一部取引所を介さずに仮想通貨を購入できるサービスもありますが、リスクもあるため注意が必要です。

① 取引所で仮想通貨を購入する

取引所に口座を開設し、仮想通貨を購入します。口座開設には本人確認が必要で、手続き完了までに数日待たなければならない場合もあります。

仮想通貨購入は取引所の口座に資金を送り、資金内で取引を行うのが一般的です。また、DEXの利用はガス代の準備が必要になるため、ガス代用の仮想通貨(トークン)もある程度確保する必要があります。

② ウォレット(MetaMaskなど)を作成する

ウォレットを作成し、仮想通貨を移動する準備をします。代表的なサービスはMetaMaskで、利用者が多いウォレットのほうが安心感は増します。

MetaMaskの場合はウォレット作成時に12個の英単語でできたシードフレーズ(リカバリーフレーズ。MetaMaskの画面では「シークレットリカバリーフレーズ」)が表示されますが、必ず記録して、安全な場所に保管することが重要です。

また、他人に知られれば悪用される恐れがあるほか、紛失すればウォレットの復元ができなくなります。

これは他のウォレットでも同様です。シードフレーズや秘密鍵がわからなくなった場合、資産を失う可能性があるのです。

ウォレットにまだログインできる状態でシードフレーズを紛失した場合は、新しいウォレットを作って資産を移すことも検討します。

③ 仮想通貨をウォレットに送金する

取引所で購入した仮想通貨をウォレットに送金します。仮想通貨は送り先を間違えると二度と戻ってこないため、アドレスは必ずコピー&ペーストで入力します。

不安がある場合は少額でテスト送金を行い、操作や着金を確認すると安心です。仮想通貨の送金にも所定の手数料がかかることが多いため、事前に調べておきます。

④ ウォレットをDEXに接続する

DEX公式サイトに移動し、「Connect Wallet」のボタンから承認すればウォレットとDEXの接続が行われます。

接続後のスワップや承認にはガス代がかかるため、ガス代を支払う仮想通貨をウォレットに用意しておく必要があります。

⑤ スワップ(交換)を実行する

仮想通貨の売買はスワップ(交換)と呼ばれます。DEXに接続後は好きな仮想通貨とのスワップを行います。流動性提供などに興味があれば、DEXで決められた操作で仮想通貨の預け入れを行います。

知っておきたい「リスク」と「守り方」

知っておきたい「リスク」と「守り方」

取引所の経営リスクや、不正な操作の影響を受けないのがDEXの魅力です。一方で、第三者からの不正な操作を受けないように秘密鍵を管理するなど、自己責任、自己防衛が求められるのもポイントです。

国内の利用者保護の仕組みが及ばず、詐欺や虚偽の情報も多く出回っていて、騙されればお金を失うリスクがあります。巧妙な詐欺が増えているからこそ、慎重になることが大切です。

「秘密鍵」をなくしたら資産は戻らない

「秘密鍵」は仮想通貨の送金や、ウォレットの管理に利用する重要なものです。他人に知られれば紐づけられた資産を失う恐れがあり、紛失すれば資産が動かせなくなります。

秘密鍵やシードフレーズは、どんな理由があっても他人に教えてはいけません。ハッキングや詐欺で秘密鍵が流出した可能性がある場合、ウォレット内の仮想通貨をすべて別の場所に移すなど自衛をすることが大切です。

詐欺サイトに注意|安全に使うための3つのルール

DEXに関する詐欺サイトは数多く、年々巧妙になっています。安全に使うためには次の3つのルールを守ります。

  1. CoinMarketCapなどの信頼できる公式サイト集からアクセスし、一度繋いだら必ず「ブックマーク」から開く。検索エンジンは詐欺サイトを表示することもあるため信頼しない。ブックマークから開く習慣をつける。
  2. 安易に承認をしない。内容を読まずに各種権限を承認すると、ウォレット乗っ取りなどの被害にあう恐れがある。
  3. ウォレットを分けて管理する。資産を複数のウォレットに分けることが重要。一度のトラブルですべての資産を失うことを防げる。

気になる「税金」|2027年分までは「雑所得」

気になる「税金」|2027年分までは「雑所得」

個人が仮想通貨の売買や運用で得た利益は、原則として雑所得(総合課税)に分類されます(2026年10月時点)。所得が多いほど税率が上がる累進課税の対象です。

給与所得者で、仮想通貨の利益を含む給与以外の所得が年20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です(住民税の申告は別に必要です)。しかし、利益が多くなると、所得税と住民税を合わせて最大55%の税率がかかります。

2028年1月1日以後の取引から、20%の申告分離課税が適用される見込みです(改正金融商品取引法の施行日によって確定します)。ただし、対象は国内の登録業者を通じた取引で、海外取引所やDEXでの取引は対象外になる見込みです。税が気になる場合は仮想通貨の運用規模や、税の改正にも気を配る必要があります。

利益が増えるほど税負担も大きくなる点は、DEXを含めた仮想通貨の資産運用で押さえておきたいところです。

それでもDEXを使う人が増えている理由

仮想通貨の市場規模は拡大を続けていて、その存在感を増しています。また、国内でも2028年にも仮想通貨のETFが解禁される見込みと報じられていて(2026年10月時点)、市場が大きく動くとみられています。

そのため、市場の変化に備えて、今のうちに仕組みに慣れておこうとDEXに触れる人もいます。

操作方法はもちろん、実際に運用でどれだけ増えるのか、触れないとわからないこともあります。早くから動いている人たちが話題にすることで、DEXの情報も目立つようになっています。

まとめ:DEXは秘密鍵の管理とリスクを理解したうえで使う

DEXは、今後さらに広く使われるようになる可能性があります。特にイーサリアムのスマートコントラクトは飛躍的に進歩し、さまざまな取り組みが進んでいます。

仮想通貨が日常で使われるようになるほど、DEXの存在価値は増していくことになるのです。銀行や国内取引所より高い利回りが示される場合もありますが、元本の保証はありません。

一方で、秘密鍵の管理や詐欺サイトへの注意など、自分で守らなければならないことも多くあります。仕組みとリスクを理解したうえで、少額から試すかどうかを判断することが大切です。

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