日本のIR カジノ法案 最新情報2023年 | 日本のカジノはいつどこにできるのか
「特定複合観光施設区整備法」(IR整備法・カジノ整備法)が成立し、ついに日本でもカジノが合法化になります。そこで、IR法のポイント、日本のカジノはいつどこにできるのか、その利権体制等をまとめました。
ついに日本でもカジノが合法化!

2018年7月20日、いよいよ「特定複合観光施設区整備法」(IR整備法・カジノ整備法)が成立しました。(6月19日衆議院可決、7月20日参議院可決、7月27日公布)
その特定複合観光施設区整備法(IR整備法・カジノ整備法)の内容はこちらです。
現在は、法案が可決し法律が成立した時点であり、まだ法律としての効力は生じていませんが、今後、法整備を経ておおよそ1年以内には「施工」され、ついに日本でもカジノが合法化になります。
目次 |
そもそもIRとは?

カジノ合法化関連のニュースではよく「IR」というキーワードを耳にしますが、IRとはIntegrated Resortの略称であり、カジノの他、会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設などを含んだホテルやショッピングモールが集まった「カジノを含む統合リゾート」、正式には「特定複合観光施設区」を意味します。
つまり、日本のカジノ推進というのは単にカジノという賭博を合法化にするということだけではなく、カジノを含んだホテルや劇場、国際会議場、ショッピングモールなどが集まった複合的な施設により、魅力的な滞在型観光を実現し、地域経済の振興、社会への還元を目的としているのです。
「特定複合観光施設区整備法」(IR整備法・カジノ整備法)まとめ
では、その特定複合観光施設区整備法で特徴的なポイントを挙げていきましょう。
カジノ(特定複合観光施設・IR)の設置数は3箇所まで

第九条 都道府県等は、設置運営事業等を行おうとする民間事業者と共同して、基本方針及び実施方針に即して、特定複合観光施設区域の整備に関する計画を作成し、国土交通大臣の認定を申請することができる。
(11項七号)その認定をすることによって、認定区域整備計画の数が三を超えることとならないこと。
日本全国で設置数は3箇所ということで、激しい誘致合戦が予想されます。現在、有力な候補地としては、東京、大阪、北海道、和歌山、千葉、長崎、宮崎、沖縄などです。
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日本人のカジノ入場限度回数は週3回、月10回まで

第六十九条 カジノ事業者は、政令で定める場合を除き、次に掲げる者をカジノ施設に入場させ、又は滞在させてはならない。
四 本邦内に住居を有しない外国人以外の者であって、カジノ施設に入場し、又は滞在しようとする日から起算して過去七日間において入場料を再々賦課された回数が既に三回に達しているもの
五 本邦内に住居を有しない外国人以外の者であって、入場等基準日から起算して過去二十八日間における入場等回数が既に十回に達しているもの
依存症対策の一環なのでしょうけど、月に10回までというのはちょっと厳しいですね。外国人観光客でなくても富裕層ならもっと入場制限を緩和してもいいのではないでしょうか?
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日本人の入場にはマイナンバーカードの提示が必要

第七十条 カジノ事業者は、入場者について、当該入場者がカジノ行為区画に入場しようとする時及びカジノ行為区画から退場しようとする時ごとに、当該入場者から個人番号カードの提示を受け~
わざわざもって行かなくてはいけないのでしょうか… 忘れたら入場できない? 面倒くさいですね。
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日本人の入場料は6,000円

第百七十六条 国は、入場者(本邦内に住居を有しない外国人を除く。以下この節において同じ。)に対し、当該入場者がカジノ行為区画に入場しようとする時に、三千円の入場料を賦課するものとする。
第百七十七条 認定都道府県等は、入場者に対し、当該入場者がカジノ行為区画に入場しようとする時に、三千円の認定都道府県等入場料を賦課するものとする。
国と都道府県へ3,000円ずつで合計6,000円の入場料が掛かります。高い!
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その他、特定複合観光施設区整備法に直接の記載はされていないものの、IR法を制定するために内閣に設置された「特定複合観光施設区域整備推進本部」および、その傘下の「特定複合観光施設区域整備推進会議」で方針が定められている事項もあり、その内容は資料「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ」にまとめられています。
その「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ」に記載されている特長的な内容を挙げてみましょう。
ジャンケットの禁止

52P ジャンケットの取り扱い
我が国において、諸外国のように、「ジャンケット」という業の類型を設けることはしない。
ジャンケットなしで本当に大丈夫でしょうか?
ジャンケットというのはカジノへの紹介・仲介業者のことで、顧客をカジノに紹介することを生業としています。世界のハイローラーの顧客情報はジャンケットが一手に握っており、その存在がないと太客が来てくれません。そして、一握りのハイローラーこそがカジノの収益を左右するのです。
ATMの設置禁止

47P ATMの設置に関する規制
カジノ施設内におけるATMの設置を禁止するとともに、事業者による貸付けを規制する趣旨を徹底するため、カジノ施設周辺においても貸付機能が付いていないATMに限って設置を認めるべきである。
依存症対策だとは思うのですが、ATMが設置不可というのは「行き過ぎ」ではないでしょうか?いまどきパチンコ屋にもATMは設置されています。マカオでもラスベガスでもカジノフロアのそこらにATMが設置されています。
コンプに関する規制

58P コンプに関する規制
カジノ事業者に対して、カジノ施設の過度な利用を誘発するような高額のコンプの提供や、善良の風俗を害するおそれがある提供方法によるコンプの提供を禁止すべきである。
全面禁止というわけではなさそうですが、高額のコンプや行き過ぎたサービスは禁止されるようです。サービスの差別化が難しいですね。
以上、日本のカジノ法内容で特徴的なものをピックアップしてみましたが、これらの内容を見ると、日本人特有の「きれいごと主義」でしょうか? 規制が強すぎて、これでは魅力的なカジノ事業とはならないような気がします。
依存症対策はたしかに大事ですが、所詮、カジノなんて、ドンドンお金を使わせてなんぼ。過剰なサービスで差別化を図って、ジャンケットで世界中からハイローラーを呼び寄せて、貸し付けもガンガンやって、顧客を増やしてお金を使ってもらわないと話にならないと思います。ともかく、儲けなきゃ地域還元も、国庫を潤すこともできないのですから、
いくら、「IRはカジノだけじゃない。日本には世界に誇れるジャパンカルチャーがある!」といっても、それは付加的なものであって、やっぱりカジノ事業において、少々下種であっても儲けを追求する姿勢がないと、IR本来の目的である経済効果をもたらすことができないのではないかと思えます。
日本のカジノはいつできるのか?
現在、「特定複合観光施設区整備法」(IR整備法・カジノ整備法)が成立し、今後は1年程度の法整備期間の後、建設候補地の決定、建設業者の選定、カジノ管理委員会の設置、カジノライセンスの認可などを経て、IR施設の建設、そして完成・オープンと、まだまだやらなくてはならないことが多くあります。
これらの必要期間を推定すると、実際に日本にIR施設が完成してカジノができるのは2025年程度ではないでしょうか?当初、噂されていた「2020年の東京オリンピックまでは」というのは到底不可能ではないかと思われ、2025年に誘致構想のある「大阪万博」と同時にというのが現実的なプランだと思われます。

日本のカジノはどこにできるのか?
カジノ誘致を検討している自治体は多くありますが、日本初のカジノ誘致で有力なのは、おそらく以下の2箇所ではないかと思われます。
① 大阪 夢洲カジノ構想
各自治体のなかで最も意気込みが最も強いのが大阪です。橋下知事から始まって、現職の松井知事までカジノ誘致に非常に肯定的であり、メディアを通じて積極的に誘致をアピールしています。また、大阪へのカジノ誘致に対して、米国IR大手のMGMが意欲的なコメントをしています。
日本でカジノを含む統合型リゾート(IR)の開発を目指している米IR大手のMGMリゾーツ・インターナショナルのジェームス・ムーレン会長兼最高経営責任者(CEO)は25日、産経新聞の取材に応じ、国内でIR候補地として浮上している複数の自治体のうち、同社の開発先として大阪市を最有力候補地に位置付けていることを明らかにした。
― 産経WEST
② 北海道
北海道では複数都市がカジノ誘致に積極的な声を上げていますが、現在のところ苫小牧が有力ではないかと言われています。
北海道でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に向けた動きが本格化する。道内で名乗りを挙げる苫小牧市、留寿都村、釧路市の3候補地では需要予測の面などから苫小牧市が一歩リードしている状況だ。道は月内に有識者会議を設置し、候補地の一本化を含む具体的な議論を始める。
― 日本経済新聞
IR整備法で定められている設置上限は最大3箇所です。残りの1箇所はどの自治体になるのでしょう。その他にも以下の自治体もカジノ誘致に関するニュースが散見されます。
- ◉ 東京 お台場
- ◉ 和歌山
- ◉ 千葉 幕張
- ◉ 宮崎 シーガイア
- ◉ 長崎 ハウステンボス
- ◉ 沖縄
最終的に、どの自治体が選ばれるのか、注目です。
カジノ管理委員会 利権はだれが握るのか?

成立した「特定複合観光施設区整備法」(IR整備法・カジノ整備法)には監督省庁や自治体の権限も制定されています。
その主な権限として、
> 主務大臣である国土交通大臣
- ・ IR区域の認定
- ・ IR事業者の認可
- ・ IR事業者の監督
> 都道府県
- ・ IR事業者の選定
- ・ IR事業者の監督
- ・ IR事業者の監督
等があります。
ただし、まだひとつだけ極めて重要なポストが残っています。それが、「カジノ管理委員会」です。
❏ 特定複合観光施設区域整備推進会議資料「カジノ管理委員会について」
このカジノ管理委員会のお仕事内容(権限)はというと、
- ・ カジノ規制の企画立案等
- ・ 免許等による参入規制
- ・ カジノ事業活動の規制
- ・ IR事業に関する規制の執行及びその廉潔性の確保
- ・ カジノ施設・機器等の規制
- ・ 懸念への対応
- ・ 納付金等の徴収等
- ・ 国民・利用者の声・違反行為の端緒の把握、国民への説明
- ・ 国際連携
となっており、見ての通りカジノに関してほぼなんでもあり。このカジノ管理委員会が一番強い権限を持っています。カジノ管理委員会はIRの認可、規制、監督などの強い権限をもつ「三条委員会」として位置づけられているのです。
そのカジノ管理委員会の選任にはどのように規定されているかというと、
第二百十七条
3 委員長及び委員は、人格が高潔であって、カジノ管理委員会の所掌事務の遂行につき公正な判断をすることができ、かつ、識見の高い者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
委員長を含む委員5名の任命権は内閣総理大臣にあり、
第二百二十四条
カジノ管理委員会の事務を処理させるため、カジノ管理委員会に事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。
事務局長やその他の職員は委員長に人事権があるとされています。
現在のところ、これ以上はなにも決まっておらず、IRにおける強大な権限を持つ一大組織が構成されるのはこれからです。人事権を持つ委員にだれが任命され、その人物がどの諸官庁の派閥を組んでいるのかで今後の利権体制が決まるものと思われます。
カジノ管理委員会がどこの「シマ」になるのか、様々な憶測が出ていますが、その代表格が警察でしょう。
パチンコユーザーなら良くご存知のように、健全な「遊戯」という建前を通すために、近年、パチンコ業界ではこれまでに例を見ないほどの厳しい規制が掛けられています。なぜ、パチンコ業界の監視・指導を行っている警察が突然に規制を強くしたのかというと、カジノ解禁前にパチンコを健全な遊戯として地ならしをした「手土産」を持ってカジノ利権に食い込むためではないか、といわれています。
一大組織「カジノ管理委員会」の組織構成がどのようになるのか、これからが注目されます。
付属:日本のIR(カジノ)に関する情報はどこで調べればいいのか

内閣に設置されている「特定複合観光施設区域整備推進本部」、その傘下の「特定複合観光施設区域整備推進会議」の活動内容は首相官邸のHPで公表されています。
特定複合観光施設区域整備推進本部
特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(平成28年法律第115号)第14条の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、平成29年3月24日、内閣に、総理を本部長とし、全国務大臣を構成員とする特定複合観光施設区域整備推進本部が設置されました。
特定複合観光施設区域整備推進会議
特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(平成28年法律第115号)第21条の規定に基づき、特定複合観光施設区域整備推進本部の下、特定複合観光施設区域の整備の推進のために講ぜられる施策に係る重要事項について調査審議するため、特定複合観光施設区域整備推進会議を開催することといたしました。
これらで公表されている資料をチェックすれば、日本のIRカジノ合法化に関する最新情報を調べることができます。