インカジの利用は危険!オンカジとの違いや違法性・摘発された実例を紹介
「インカジ(インターネットカジノ)」とは、実際の店舗に設置されたパソコンからインターネットを通じてカジノゲームをプレイし、賞金を獲得した場合その場で現金が払い戻されるお店のことを指します。
「オンラインカジノが違法かは分からないけどインカジは安心して遊べる」と勘違いしている方もいますが、実はまるっきり逆で、インカジで遊ぶのは100%違法なんです! 店を開いている人はもちろん、カジノを遊んでいる客も捕まってしまう危険なお店となっています。
このページでは、インカジとオンラインカジノの違い、インカジは何に違反しているのか、そして摘発事例などについて解説します。
この記事のまとめ
- インカジは国内で違法に運営されている賭博店
- 店内に設置されているPCからオンラインカジノに接続してプレイできる
- インカジは利用するだけで違法行為
この記事はおよそ 10分 で読むことができます。時間がない方は目次を活用しましょう
インカジとは?オンカジとの違いを比較
繁華街を歩いていると、「ギャンブルいかがですか」といったキャッチに出会うことがあります。これは「インカジ(インターネットカジノ)」といって、実際に日本のお店でカジノを遊べるというサービスです。本当にそんなお店を合法的に楽しめるなら非常に嬉しいですが、実際にはインカジは全くの違法となっています。次の項目では、インカジはどんなお店なのか、オンラインカジノとどのような違いがあるのかについて解説します。
インカジは営業許可を取らずに国内で運営されている違法賭博施設
「インカジ(インターネットカジノ)」は、日本国内で運営されている違法の賭博施設です。実際のお店の中で設置されたパソコンからネットカジノをプレイします。現金をお店に渡すと、その現金が自動的にカジノチップになって入金され、店舗内のパソコンからバカラやルーレットなどのカジノゲームをプレイします。
勝敗に応じて、その場で払い戻しが行われるという仕組みになっています(ちなみに、ディーラーが実際にいてバカラテーブルなどを遊ばせてくれる裏カジノというものもあります)。
もちろんインカジは営業許可がおりないので、日本においては違法状態で運営されている賭博施設ということになります。
目立たない路地裏や雑居ビルで看板を出さずにひっそり営業している
インカジは堂々と看板を出して運営されているわけではありません。インターネットカフェのような形態をしており、警察などに見つからないよう目立たない路地裏や雑居ビルなどでひっそりと営業されています。そのため自分で見つけることはほとんど不可能であり、繁華街を歩いているキャッチから場所を聞き出すか、もしくは知り合いからの紹介で行くしか方法はありません。
ちなみに、警察に見つかるのを防ぐために、インカジに入る際は顔写真を撮影されたり、身分証の提示を求められる場合があるようです。当然ながらプライバシーポリシーなどは無いので、不正に顔写真や身分証の情報が利用される可能性もあります。
オンカジはライセンスを取得して合法的に運営している海外の企業
このように、インカジは国内で運用されている、営業許可を取っていない違法店舗です。それに対してオンラインカジノは海外に本拠地を置いており、インターネット上でカジノの営業を許可されている一流企業によって運営されている全く違法性のないカジノサイトとなっています。そのため、ご自身でオンラインカジノをプレイする分には、オンラインカジノ自体に違法性のあるものではないので安心して遊ぶことができます。
インカジは「利用するだけ」で逮捕される危険がある
インカジの営業方法を見ると、「オンラインカジノとあまり変わらないような気がするけど、どこが違法なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、インカジで問題なのは、「賭博行為が国内で行われている」とみなすことができるからです。国内で賭博を行うのは、国から認められている競馬・競輪などを除くと全て違法であるため、店側だけでなく客も逮捕される可能性があります。インカジを利用、もしくはインカジを開いた場合の犯罪やその量刑について解説します。
インカジで逮捕された場合に問われる罪
インカジで利用されるのは一般的なオンラインカジノです。プレイヤーは店側にお金を支払うことで、カジノチップが入金され遊べるようになります。そしてオンラインカジノをプレイし、その結果によって払い戻しが行われます。
一見違法ではないように見えますが、問題は「入出金が国内で行われている」ということです。つまり、オンラインカジノのプレイ自体が問題視されているのではなく、インカジがやっていることは「日本国内で客にお金を賭けさせ、結果に応じて払い戻しを行う」という行為です。オンラインカジノを使うのはただの手段に過ぎません。
ここでいう胴元(親)というのはオンラインカジノではなく日本国内にあるインカジですから、日本国内で賭けが成立しているということになります。そのため賭博罪が成立する、というわけです。
インカジが警察に見つかった場合、警察は営業しているタイミングを見計らって強制捜査を行います。この時、お店側の従業員はもちろんですが、客も現行犯で逮捕されるので非常に危険な店と言えるでしょう。続いて、インカジで逮捕された場合に問われる罪について解説します。
刑法185条:単純賭博罪
まず、インカジでプレイしていた客は、刑法185条の「単純賭博罪」に問われます。単純賭博罪は、賭博をした人物に対して適用される罪で、50万円以下の罰金、もしくは科料が課せられます。
刑法186条 第1項:常習賭博罪
続いて「常習賭博罪」とは、1回だけ賭けたというわけではなく、何度も賭博を行っており常習性がある客に対して適用される罪で、3年以下の懲役刑が適用されます。ただ、インカジで捕まったからといって常習賭博罪が適用される可能性は低いですが、逆に捕まるのが1回目であっても常習的に賭博をしていたことが認められたら常習賭博罪が適用されるケースもあります。
刑法186条 第2項:賭博場開帳等図利罪
「賭博場開帳等図利罪」とは、賭博場(ここではインカジのこと)を開くことで利益を稼ごうとした場合に成立する犯罪です。刑事罰としては3ヶ月以上5年以下の懲役刑が課されます。
この犯罪については、利益を稼ぐことを「図った」時点で刑罰が適用されます。実際に財産的利益を稼いだか、もしくは賭博が行われたかどうかは関係なく、賭博場を開いた時点で罪に問われることになります。
インカジの運営や利用で直近1年間に摘発された事例
実は、インカジというのは最近も非常に多くの店舗が摘発されていることをご存知でしたか? オンラインカジノを使って日本国内で客に賭けを行わせたインカジは、令和4年だけでも10件摘発されています(警察庁ホームページより)。その中でも、次の項目では過去1年以内に摘発を受けたインターネットカジノ店の中で、ネット記事になっている事例について解説します。
2023年3月:大阪市北区西天満のネットカジノ店
インターネットカジノで客に賭博をさせたとして、大阪府警生活安全特別捜査隊は3月6日、常習賭博の疑いで、大阪市北区西天満のネット賭博店「noah」の責任者、久井遊紀容疑者(41)=大阪市浪速区恵美須西=ら店の関係者の男6人を逮捕したと発表した。久井容疑者は容疑を認めている。
今年3月、大阪市の西天満にあったインカジ店舗が摘発、責任者や関係者が逮捕されました。西天満といえば梅田への交通も非常に良く、繁華街や観光エリアも近いオフィス街です。やはり人が多く集まる都会にはインカジの店舗もまだまだ残っていると言うことができます。
2023年2月:東京・歌舞伎町のインターネットカジノ店
東京・歌舞伎町のビルで違法なインターネットカジノ店を営んだとして、警視庁と福岡県警の共同捜査本部は、カジノ店店長の人見浩司容疑者(44)=埼玉県川口市=ら39~55歳の男8人を常習賭博容疑で現行犯逮捕し、1日発表した。捜査本部は、この店が営業を始めた2005年11月以降、総額500億円近くを売り上げた国内最大規模のネットカジノ店だったとみて、実態の解明を進める。
東京は今でもインカジが多い土地ですが、今年2月に摘発された新宿歌舞伎町のインカジ店は国内でも最大級と言われています。「スピード」という全国に違法カジノを展開するグループが運営していたカジノで、これまでに500億円近くの利益を出したことが報道でも明らかになっています。この店の売り上げをめぐって福岡のマンションで監禁致死の事件が起きたこともあり、暴力団の資金源になっていたとみて警察は調べを進めています。
2022年10月:東京・上野の違法カジノ店
東京・上野の雑居ビルの違法カジノ店が摘発され、店長と客らあわせて18人が現行犯逮捕されました。違法カジノ店の店長・村本直樹容疑者(55)とディーラーの吉田芳洋容疑者(42)ら10人は、台東区上野の雑居ビルで、客にバカラ賭博をさせ手数料を徴収した疑いがもたれています。
これはオンラインカジノを使って客に賭博を行わせていたインカジではなく、実際のディーラーがテーブルを使ってバカラを行い、バカラ賭博を遊ぶことができる裏カジノです。インカジだけでなく、国内で賭博を行わせる裏カジノも全国各地にありますのでご注意ください。
インカジには「イカサマ」や「タタキ」のリスクもある
インカジは、逮捕されるリスクというのも勿論ありますが、大抵のインカジは暴力団や半グレなど、バックに裏の組織が控えています。そんな違法組織が、客に簡単に勝たせるでしょうか? もしくは客が大勝ちしたからといって、ちゃんとお金を支払ってくれるでしょうか?
インカジには「イカサマ」や「タタキ」などと呼ばれる行為が後を絶たず、大変大きな問題になっています。このイカサマ・タタキについて詳しく解説します。
インカジでイカサマやぼったくりって実際にあるの?
インカジはオンラインカジノを遊ばせる分にはイカサマのしようがありませんが、ブラックジャックやビデオポーカーなど還元率の高いゲームについては遊ばせないようになっている店舗が多いようです。
最もイカサマに気をつけるべきなのは、実際にディーラーがカードを配ってくれる裏カジノです。中国から輸入したバカラテーブルを使えば、次のカードの番号が何なのかが一目で分かるようになっており、簡単に結果を動かすことができます。一見の客が来たら多めに勝たせることでリピーターを作ることもできますし、大口の客が来たら負けさせて大幅に稼ぐこともできるというわけです。
また、インカジであっても稼いだチップから両替代金だのサービス料だの理由をつけて勝利金を支払わないぼったくり行為があることも報告されています。インカジで稼いでも、満額お金が支払われるとは思わない方が良いでしょう。
「タタキ」行為とは?
大阪・ミナミの違法インターネットカジノ店で3月に起きた銃撃事件で、大阪府警南署捜査本部は20日、強盗殺人未遂と銃刀法違反(加重所持)の疑いで、韓国籍で住所、職業不詳の姜(きょう)真一容疑者(34)を逮捕した。指名手配し、顔写真を公開して行方を捜していた。大阪市中央区宗右衛門町のビル3階にある「バーファイブ」で、金品を奪う目的で男性従業員(42)の頭と男性客(32)の腹を回転式拳銃で撃ち、殺害しようとした疑いが持たれている。
むしろ、ぼったくられたならまだマシ、という場合もあります。客が大幅に勝つと、「タタキ」という行為が客に対して実行されることがあります。これは客が店を出たところでそのカジノを運営している違法組織の構成員に囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けるというものです。最悪のケースでは、拳銃を持ち出して客に向かって発砲し殺害した…という例もあります。
逮捕されるリスクがある、ぼったくられるリスクがある、死ぬリスクがある。こんな三重苦揃ったお店に、なおそれでもギャンブルをしに行きたいですか?
まとめ:インカジに行くよりオンカジをプレイした方が安全
スマホでもオンラインカジノが遊べるようになり、またコロナ禍などによって家に籠る人が増えたことからインカジの勢いは少なくなっていますが、繁華街に行くとまだまだキャッチに声を掛けられます。日本では、特別法が制定されている宝くじや公営ギャンブルを除いては、賭博を行うのは犯罪です。オンラインカジノに賭博罪が適用されないのは、海外のカジノに入金・プレイ・出金を行うため「賭博行為が海外で行われている」とみなすことができるからです。インカジは、「オンラインカジノという手段を利用して国内で賭博している」ため、明確に違法行為です。
また、インカジは逮捕されるリスクだけでなく、ぼったくりや暴力行為に遭遇する場合もあります。インカジで稼ごうとするくらいなら、自宅でオンラインカジノを遊ぶ方が安全かつお得に楽しめますよ♪
Bell
(ウィナーズクラブ管理人)
テレビや新聞などで取り上げられている「闇カジノで関係者を逮捕」などのニュースは全て違法な「インカジ(インターネットカフェ・カジノ)」での事です。インカジは完全違法なうえに反社会的勢力などの資金源になるので絶対に近づかないでください。